NARUTO ― ナルト ― ナルト烈伝 うずまきナルトと螺旋の天命 (JUMP j BOOKS)

NARUTO ― ナルト ― ナルト烈伝 うずまきナルトと螺旋の天命 (JUMP j BOOKS)の詳細

これ一冊でも十分に楽しめますが、前作のカカシ烈伝、サスケ烈伝を読んでおくと十倍楽しめます。未読の方は、3冊まとめて購入されることを強くお勧めします。ナルトと七班だけでなく、シカマル、サイ、いの、テンゾウ、チョウジ、イルカ、ヒナタ、ボルト、大蛇丸、そしてミツキ、テマリ、水月香燐の登場シーンもあり、キャラの特性を生かした活躍をそれぞれ見せてくれます。さりげなくミナトとクシナのエピソードが出てきたり、なによりネジの力がちゃんと今に生かされた、つながりを感じるエピソードがあってうれしかったです。そして、それだけたくさんのキャラが出てくるのに、ナルトの物語として軸がぶれていません。オリキャラのちはれに対して火影室でナルトが語ったシーンは感動しました。後半からはもう怒涛の展開で「そう、ナルトって、サスケって、そういうやつなんだよ…！」と、共感のあまり何度か本を閉じなければ読み進められないほどでした。この烈伝シリーズの素晴らしいところはキャラの補完をしてくれるところです。「カカシ先生って火影のくせに弱いんじゃないの？平和な時代の火影で何もしてないんじゃないの？」「サスケとサクラって全然会ってなくて夫婦の絆がないんじゃないの？」「ナルトってせっかく火影になったのに激務でかわいそう」などと、ネットなどでウワサされていたことを真っ向から否定してくれる物語です。また、ナルトからボルトになって社会が発展してしまいつまらなくなったと言われていましたが、この烈伝シリーズで描かれている科学バトルはめちゃくちゃ面白いです。新しい要素をナルトの雰囲気を壊さないように入れ、お話は抜群に面白く、そしてそれだけ複雑なストーリーなのにひといきに読めるのは江坂先生の文章力がなせる技ではないでしょうか。三作まとめて映画化してほしいけど、細やかな心情描写を上手く映像に移せるだろうか……集英社さん、せめてコミカライズ、お願いします！また江坂先生のナルトノベライズが読めますように。