草枕 (新潮文庫)

草枕 (新潮文庫)の詳細

「草枕」は以前、文庫で読みました。私が若かったせいもあり、正直「ウザ・・・・」と思ってしまったところがありました。夏目漱石の教養と美意識の箱詰め、（しかもてんこ盛り）という印象を持った記憶があります。これでもかこれでもかと凝った表現が出てくる・・・お腹一杯・・・と思うのは私がバカなせいなのか・・・といじけた・・・。ところが、最近、夏目漱石の小説が新聞小説だったことに気が付きました。私は読み方を間違っていたのではないかと思いました。結論を探して一気に読もうとするのではなく少しずつ楽しむ・・・。そうするとまるで極上のスイーツのように甘美です。実はこのキンドル版の草枕はまだ完読していません。仕事から帰って「ああ疲れた」と思い、コーヒーを入れて数ページ読む。甘露です。こういう読み方はブックマークができるキンドルは大変便利です。気にいったところを読み返して楽しむことも簡単です。そして以前は気がつかなかった夏目漱石の魅力にも気がついて漱石、大好きになりました。とんでもなく教養豊かで、とんでもなく美的なくせにけっこう下世話なことが好きですね。なんだか可愛いです。