高宗・閔妃:然らば致し方なし (ミネルヴァ日本評伝選)
高宗・閔妃:然らば致し方なし (ミネルヴァ日本評伝選)
によって 木村幹
高宗・閔妃:然らば致し方なし (ミネルヴァ日本評伝選) - 高宗・閔妃:然らば致し方なし (ミネルヴァ日本評伝選)をお探しですか? この本は著者が書いたものです。 この本には436ページページあります。 高宗・閔妃:然らば致し方なし (ミネルヴァ日本評伝選)はミネルヴァ書房 (2007/12/10)によって公開されています。 この本は2007/12/10に発行されます。 高宗・閔妃:然らば致し方なし (ミネルヴァ日本評伝選)は簡単な手順でオンラインで読むことができます。 しかし、それをコンピュータに保存したい場合は、今すぐ高宗・閔妃:然らば致し方なし (ミネルヴァ日本評伝選)をダウンロードできます。
高宗・閔妃:然らば致し方なし (ミネルヴァ日本評伝選)の詳細
本のタイトル : 高宗・閔妃:然らば致し方なし (ミネルヴァ日本評伝選)
作者 : 木村幹
ISBN-10 : 4623050351
発売日 : 2007/12/10
カテゴリ : 本
ファイル名 : 高宗-閔妃-然らば致し方なし-ミネルヴァ日本評伝選.pdf
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この本は、朝鮮末期に三つ巴の暗闘を繰り広げた、大院君、高宗および閔妃の内、特に高宗に焦点を当てて歴史上の解説を試みたものである。この本で3人特に高宗の人そのものを良く知りえたことは大きいといえる。しかし、著者の論点には大いに疑問がある。ここで2点述べておきたいと思う。第一に、イザベラ・バードの「朝鮮紀行」によれば、バードは高宗および閔妃と会食し歓談を共にしたが、高宗は一人では十分に自分の意見を述べることができず、何回か閔妃が助け舟を出していたとなっている。高宗はそのような消極的な性格であったにも関わらず、決して人が良かったわけではなく、善良であったわけではない。清国、日本、ロシアを常に裏切り、密書や密使を送り余計な工作を成し、露見するとすべて部下のせいにして、自分は関与していなかったと言い張る。彼の愚かな計略で失敗した担当者(部下)は島流しにしたりされている。それらの姦計が成功していたとしても、決して朝鮮のためになるものではなかった。しかし、それらの行為について、著者は次のように言っている。―――親政の当初を除けば、高宗や関妃の目線が、朝鮮王朝の発展や独立の維持というような高尚な目的よりも、むしろより直接的な自らの権力―つまり「無限の君権」―の維持という、より具体的で身近なところに向けられていたことである。しかし、少なくとも筆者には、そのような彼らを笑うことはできない。―――確かに、500年続いた李氏朝鮮では、政権自体が硬直し、腐敗しきって、且つ人民もそれに疲れてしまっていたから、(笑えない)仕方がないと言うわけである。3回に渡る日韓条約を交わしておきながら、ハーグヘ密使を派遣したことについて伊藤博文に詰問された高宗は、自分は無関係であると強調した。だが、もはや受け入れようとはしない伊藤の様子を見て、「然らば致し方なし」と退位を決めたということである。それはあたかも、サラ金から借りまくって完全に破産状態になり、債権者に詰め寄られて、返済計画にサインしておきながら、密かに別の借金に走っていることが露見したようなものである。例え日韓条約が日本に強引に結ばされたものであったとしても、それらはすべて李氏朝鮮が自分のそれまでの行動の結果招いた結果である。私は、何事も人のせいにするこのような考え方に、決して納得することはできない。高宗は「然らば致し方なし」と言って、かっこをつけているが、平たく言えば「アラ、バレちゃったのね。ほんじゃ辞めるわ」という程度の人間なのである。朝鮮人は、当時の国際情勢では、李氏朝鮮末期の財政上および国防上の破綻状態は、国が亡くなるか併合されるかしかありえなかったことを自覚し反省すべきである。それは、現代では破産してしまった会社が、亡くなるか別の会社に吸収されるしかないのと同じである。その後の40年間の日本の莫大な援助と努力で、教育、農業、工業、インフラが整備されていたので、日本が敗戦後南北朝鮮は独立できたのである。第二に、閔妃暗殺の件は、日本人が行ったように述べているのは嘘である。本事件には不明な点が多いが、それ故に、事実認識のみに基づいて論ずべきである。事件に日本人が協力したことは事実だが、1、 暗殺は大院君の了解と指示に基づいて行われた。2、 現場にいた純宗(高宗の子でのちの皇帝)は、「朕が目撃せし国母の仇は禹範善なり」と証言している。3、 事件後、禹範善は日本へ亡命し、高宗の差し向けた高永根と従者の魯允明により暗殺されている以上の証拠により、閔妃暗殺は大院君の決断によって、朝鮮人が主体で行われたものであり、大院君は2回目にして、閔妃暗殺に成功したのである。ちなみに、大院君の第一回目の閔妃暗殺未遂事件は壬午軍乱である。本書は著者の見識を疑う書物である。
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